QEDの山歩き

山歩きの記録・メモ・雑感

北丹沢・彦右エ門谷から檜洞丸

先週は標高1300mあたりまでしか届かず悔しかったので、再び檜洞丸を目指すことにする。 北丹沢にはまだ行ったことが無いという友人のKちゃんを誘ってみたら、沢じゃなくて長い距離を歩きたいというので、彼は縦走、自分は沢登り、ということになった。
今日の行き先は、先週行った金山谷から源蔵尾根を隔てたところにある彦右エ門谷、広河原の上流側に広がる、堰堤だらけの沢である。 Kちゃんは東海自然歩道から入って姫次・蛭ヶ岳・檜洞丸と周回する予定で、運が良ければ檜洞丸で会えるかもね、ということで、東海自然歩道の分岐で別れた。

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彦右エ門谷に入る前にちょっと寄り道をした。檜洞丸北尾根を隔てたところにある桧皮沢(ひわたさわ)見物である。この沢の見所は最初に現れるゴルジュらしいので、林道から見物だけでもしておこうと以前から思っていたのであった。今日は忘れずに思い出したので、広河原手前で大きく曲がっている林道をしばらく登り、桧皮沢を見物した。林道に架かる橋のすぐ目の前に大滝があり、その奥にゴルジュが続いている。パッと見た感じ、全然登れそうに見えない。ならば巻くことになるわけだが、ゴルジュ両岸ともに険しい斜面となっており、巻くのも大変と先達がおっしゃる理由がよく分かった。なるほど、と納得して広河原へ戻る。

林道の屈曲点からはわずか6、7分歩いたくらいなのだが、意外と標高を稼いでいたらしく、広河原のあたりを良く見おろすことができる(写真左下)。屈曲点から沢の方へは踏み跡がついており、彦右エ門谷の左岸沿いに歩くことができるのだが、覆いかぶさるように植物が繁茂しており歩きにくい。3つ目(?)の堰堤に沿って対岸へ渡ると源蔵尾根への取り付きとなる。左岸沿いに斜面を登ると檜洞丸の北尾根への取り付きへと続く。堰堤はどれも右側から越えられるらしいので、木積の堰堤の手前で沢床に降りて歩き始めたら、どうもこの堰堤は巻道から行かないとダメらしい(写真右下)。

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そこで、ガレた沢地形を巻いて行ったらすごい高巻きになってしまっており、あれこれ考えたが懸垂で降りるのが一番速くて安全だろうと思い、しぶしぶ懸垂で沢床まで降りた(写真左下のあたりで懸垂)。それ以降の堰堤は全て右側から越えた。

右下の写真は下流を振り返ったところ。堰堤が多くて飽きる。

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リハビリ&トレーニングなので面白さは特に求めてはいなかったが、予想していたよりは水もあり、小さな滝もあってそれなりに楽しめた。ただ、前半に現れた滝はどれもヌメっており、また水が案外冷たいので今日のような暑い日でもシャワーは辛い。シャワーどころか、水流に手を10秒くらい入れてるだけでも結構辛い。後半に現れた涸棚はたいてい脆くて見た目よりも登るのが困難だった。

下の2つの滝はどちらも水流直登のつもりだったが諦め。左の滝は水流左側、壁沿いに登り、右の滝は水流右側の乾いたカンテ状を登った。

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水が涸れてからは下の写真のようなガレ沢を行く。歩きにくいが特に問題はない。

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左下の写真、大きな石が行く手を遮っている。高さはないが、意外と厄介。 最初、右2つの岩の間を行ったがホールドが無くて諦めた。次に左に行き、左壁と真ん中の岩を使ったステミングで(左の岩をまたぐように)登った。右下の写真の二俣は右へ。

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上部に行くにつれ、だんだん岩が脆くなってきた。簡単に登れそうに見える岩も手を掛け、足を乗せるとすぐに剥落する(写真右下)ので厄介である。

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できるだけ沢地形を忠実にたどって山頂に近づくつもりだったが、1400mを超えたあたりで右手に見える樹林帯に逃げてしまった。足元がグズグズしてきたとは言ってももうしばらくは歩けるし、北尾根の樹林がもっと高くに見えていれば沢筋を詰めていたと思うのだが、右手の樹林がすぐ目の前、10秒ほど歩けば届くところまで近づいていたので、樹林の誘惑に負けてしまった。

北尾根の樹林帯に入って休憩していたらKちゃんからメールが届いた。蛭ヶ岳を出て30分ほど経過したところらしい。これならば、先に山頂に着いた方が30分も待てば合流できるだろう。

樹林帯を適当に登っていくと見覚えのある北尾根の踏み跡に出た。ゆっくり山頂へ向かい、バイケイソウの群落を抜けると山頂である。腰を下ろす場所を探そうと思ったら、目の前にKちゃんがいてビックリ!彼もちょうど山頂に着いたばかりだそうで、なんともすごい偶然である。
テーブルに腰掛けてのんびり休憩を取り、ヤタ尾根から下山した。

 【今回のルート】

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