QEDの山歩き

山歩きの記録・メモ・雑感

西丹沢・中川川水系・箱根屋沢

屏風岩山に源を発する沢には全然行ったことがなく、先日、地獄棚沢を見物しただけである。今日は(深い理由は無いが)箱根屋沢へ行ってみることにした。

【箱根屋沢 F1】

f:id:Mt-QED:20170816163627j:plain

中川温泉を過ぎてすぐのところに悪沢と箱根屋沢の出合がある。どちらも県道からすぐに入渓できる沢であるが、目立たないのでここに行くつもりでなければ気づきにくいかもしれない。

f:id:Mt-QED:20170816164030j:plain 箱根屋沢の出合に掛かる箱根橋から入渓する。水が少ないのか、橋から入渓したあたりには水が無い。 日が当たらず、薄暗い谷を進んで行くとすぐに堰堤が現れる。最初の2つは左岸についた鋼管ハシゴから越える。3つ目の堰堤はほとんど埋まっていて素通りしそうである。 

 

 

f:id:Mt-QED:20170816163623j:plain 遠目に見るF1は登れそうな感じがしないが、近づくと右の写真の通り、傾斜はゆるく、容易に登れそうであることが分かる。

ホールドも適度にあり、フリクションもまあまあで問題無く登れる。 

 

 

 

 

 

 

f:id:Mt-QED:20170816164242j:plain 中段が人工物となっている3段の滝にはなぜかロープがたくさんあったが、特に利用する必要が無いように思えた。実際、そのまま水流を進むと容易に越せる。

 

 

 

f:id:Mt-QED:20170816224241j:plain

次に現れた2段の滝が(暗くて分かりにくいが)右の写真である。下段は容易に登れる。上段は難しそうに見えるが、下段を登って右側から上部を観察すると、階段状になっており、ヌメリに気をつけて登れば難しくはない。

 

 

 

 

 

 

f:id:Mt-QED:20170816224751j:plain

この滝は流れの右側の壁を登れるらしいのだが単独で挑戦できるとは思えず右から巻いた。左下の写真は巻き道からこの滝を眺めたところ。

 

 

巻き道から沢に降りて次に現れたのが右下の写真である。落ち口に抜ける所でちょっと手間取ったように思うが、他は問題無い。落ち口付近の倒木を利用できるかと思ったが、それほど有り難くもなかったように思う。 

 

f:id:Mt-QED:20170816225655j:plainf:id:Mt-QED:20170816224746j:plain

f:id:Mt-QED:20170816230807j:plain

右の写真の滝では少し苦戦した。写真が白飛びで分かりにくいが、落ち口の左側に黄色(オレンジ?)のスリングが下がっており、そこまで行けばスリングを頼りに落ち口へ抜けられるのだろう、と考えた。スリングまでのルートはいくつかあるようで、流れの左側基部にリングボルトがあり(写真左下)、乾いた岩を直上するルートがあるようだ。ちょっとこのルートは難しそうに見えたので、流れの右側から登り始めた。残置ハーケン(写真右下)があったので使わせて頂き、保険を掛けつつ黄色のスリングまでたどり着いてみたら、落ち口は依然傾斜があってややヌメっており、足だけで立てる場所ではなかった。黄色スリングに補助ロープを連結して、グランドフォールだけはせぬよう用心して難場を抜けた。

 

 

f:id:Mt-QED:20170816230800j:plain f:id:Mt-QED:20170816230756j:plain

 人工で登る滝は当然巻いた(写真下、左右)。

f:id:Mt-QED:20170816231927j:plain f:id:Mt-QED:20170816231846j:plain

滝の左岸から巻いて行くと、どんどん高度が上がるのでやや不安になる。滝を越えて沢を見下ろせる場所に出たので降り場所を探していると、次の滝が見えた。これもたぶん人工だろうと思い、沢には降りずまとめて巻くことにしたら、さらにどんどん高度が上がる。いくらなんでも登りすぎたかなぁ…と思っていたら、ピンクテープと踏み跡が現れた。本来の巻き道に合流したのかもしれないが、良くは分からない。2つ目の滝も越えたあたりで「このあたりでそろそろ沢に降りようか」と思いながら歩いていたら、トラロープを巻いた立木が現れ(写真左下)、見下ろすと沢床までロープが続いている(写真右下)ので有り難く使わせて頂いた。難しい巻き道だったが、入り口が悪かっただけなのかもしれない。

f:id:Mt-QED:20170816232409j:plain f:id:Mt-QED:20170816232403j:plain

 

f:id:Mt-QED:20170816232802j:plain右の写真の滝は、一見して「無理」と思い、周囲を見ると右岸側(写真左下)から容易に巻けそうに見えたのですぐそちらを登り始めたのだが、これが非常に悪かった。斜面が体重を支えてくれず、ズルズルと体が落ちそうになる。立木もなく、無傷で落ち口まで行ける気がしなかったので一旦おりた。良く観察もせずに「無理」と決めつけた滝を改めて眺めてみると、巻き道を行くよりは難しくないように見え、実際登ってみたらそれほど難しくはなかった。
右下の写真の滝は途中にデコボコがある以外はのっぺりとしており、容易に巻けるのならば巻きたいところだったが良く分からない。この滝に限らないが、落ち葉がやたらと堆積している箇所が多く、巻き道の難易度の判断が非常に難しい。中間部分にあるデコボコのあたりに足を乗せられればあとは問題無いと判断し、この高さなら失敗して大怪我にはなるまいと考えながら登った。ヌメっていたら登れなかったと思う。

f:id:Mt-QED:20170816232757j:plain f:id:Mt-QED:20170816232749j:plain


このあとは源頭の様相となり、小滝はたくさん現れるがどれも問題なく登れる。
途中で二俣が現れるが、なるべく966ピーク付近に詰めようと思っていたので右へ行った。

最後の詰めも、まっすぐ突っ込むと苦戦しそうに見えたので、傾斜がさほどきつくなさそうに見えた左の尾根に上がったのだが、正面の小尾根状の部分に取り付くべきだったかもしれない。左側の尾根を少し登ってみたが思ったよりも傾斜はきつく、斜面はグズグズで立木の間隔も広く、傾斜のゆるい植林の中にたどり着くまで苦戦してしまった。このあたりは手を使わずに歩ける程度の傾斜であり、不明瞭ながらも踏み跡もあり、あとはこれをたどればok、と思ったのだが、登るにつれて傾斜がだんだんきつくなり、踏み跡も何度か見失ったりして稜線に出るまでが容易ではなかった。

f:id:Mt-QED:20170816233447j:plain


稜線に出たあとは屏風岩山のピークを踏んで来るつもりだったのだが、予定よりも時間はかかったしすっかり疲れてしまったので966ピーク下の南東尾根から下山した。分岐点は広々としてテン場のようだが、焚き火跡があったので実際に幕営した人がいたのかもしれない。
標高850m付近で尾根が分岐しており、北東へ向かう尾根が一番目立つが、そちらではなく南東へ向かう。しかし、向かうべき尾根が分かりにくく、東南東側へ少し誘い込まれた。磁石を見ると方角が少しずれており、右手に「あれかな?」と思わせる尾根が見えて進路を修正した。
樹林の中を枯葉を踏みながら降りて行ったら左手から現れた作業道にぶつかったので、もっと上から作業道があったのだろう。うまく見つけられなかった。
尾根の末端では左右どちらにも降りられるようだ。左手に降りると箱根屋沢だが、靴の泥を落としたかったので水の無い箱根屋沢ではなく右手に降りたものの、こちらにも水は無かった。

 【今回のルート】

 6:05 箱根屋橋
13:35 稜線
15:30 箱根屋橋

f:id:Mt-QED:20170816233850p:plain